症状から病気を探す
目がみえにくい
- <症状から考えられる眼病>
- 近視、乱視、遠視、老眼、白内障、緑内障、黒内障など
近視や乱視、遠視などを、眼鏡やコンタクトレンズできちんと矯正できていないと視力が低下します。
目にひどい屈折異常がある場合、眼底などに変化がおこって、眼鏡などで矯正しても視力の改善が期待できない場合があります。
老眼(老視)は、40歳代半ば頃から症状が発生する人が多いようです。
遠視の人は、老眼によって「遠くのものは見えるが、近くの細かいものがよく見えない」という症状が早い時期に起こり、近視の人は遅く起こる傾向があるようです。
近視の場合は、初期のうちは、近視用の眼鏡を外せば、近くのものが見えるのも特徴です。
目が見えにくくなる病気を「そこひ」と呼ぶことがあり、白内障、緑内障などの病名に用いられる場合があります。
- 白そこひ⇒白内障
- 青そこひ⇒緑内障
- 黒そこひ⇒黒内障
の三つの呼び方があります。
白内障(白そこひ)は、水晶体が白く濁る病気です。
主な原因は、先天的なもの、糖尿病など他の病気の影響によるもの、加齢によるものなどのほか薬(副腎皮質ステロイド薬)でおこるものもあります。
最も多いのが加齢による白内障で、これは老化現象によるもので、水晶体の濁りによってものがぼやけてみえるようになります。
緑内障(青そこひ)は、眼圧が正常の範囲を超えて上昇したとき、視神経が冒されて視力が低下するものです。
緑内障の原因は、先天性のもののほか、続発緑内障という他の病気の影響でなるものと、ほかの病気とは関係のない原発緑内障といったタイプがあります。
異常を感じたら、早めに眼科医の診断を受けることと、経過の観察、眼圧を下げる点眼薬や場合によって内服薬の服用などが必要です。
眼病も細分化され黒内障(黒そこひ)といういい方は、最近はあまり使われなくなりました。
以前は一般的に眼底の病気のことを指し、視力が低下したり視野が狭くなったりする症状がでます。
網膜出血、網膜色素変性症、網膜脈絡膜萎縮、網膜脈絡膜炎、視神経萎縮、視神経炎、などが黒内障(黒そこひ)に分類されます。
急激に視力が低下する症状は、網膜剥離や網膜中心動脈塞栓症、網膜中心静脈血栓症などの疑いがあります。
虹のようなものが見える
- <症状から考えられる眼病>
- 緑内障など
緑内障の場合、虹のようなものが見える症状に加え、頭痛、吐き気、嘔吐を伴うことがあります。
緑内障とは目の眼圧(眼球内の圧力)が高くなることで視神経に影響を与え、目に障害が起きる病気です。
暗いところで見えにくい
- <症状から考えられる眼病>
- 夜盲症、網膜色素変性症など
『夜盲症』とは体内のビタミンA不足が原因で起こる病気で、暗闇で目が見えにくくなる症状が現れ、そのうち特に先天性のものを『網膜色素変性症』と呼び、現在ではこちら場合のほうが多いといわれています。
目がかすむ
- <症状から考えられる眼病>
- 白内障、老視、結膜炎、ぶどう膜炎など
『白内障』の場合は遠くも近くもかすんで見えにくくなります。
白内障は黒目に白濁が見られ、特に高齢者や糖尿病患者などがかかり易い眼病です。
『老視(老眼)』では近くが見えづらくなります。
『ぶどう膜炎』とはぶどう膜(目の虹彩、毛様体、脈絡膜)に炎症が起きる病気で、その症状には目のかすみの他に、視力低下、まぶしさを感じる、目の充血、目の痛み、黒目の周囲の充血などの症状を伴うことがあります。
見える範囲が狭くなった
- <症状から考えられる眼病>
- 緑内障、網膜剥離、中心性網膜炎、脳腫瘍など
緑内障が慢性化すると、視野の中心に向かって見えにくくなる『視野狭窄』の症状がみられることがあります。
多くの場合、鼻側から視野が狭くなってきます。
網膜剥離の場合は、視野の中で外側や下側が見えにくくなる症状がみられ、目の前にチカチカと何かが飛ぶように見える症状もあらわれる場合もあります。
中心性網膜炎の場合は、視野の中央部分がよく見えになくなり、物がゆがんで見える症状などがあらわれます。
脳腫瘍では頭痛やめまいなどを伴うことが多いです。
ものが小さく見える/ものがゆがんで見える
- <症状から考えられる眼病>
- 中心性網膜炎、中心暗点、小視症、変視症など
中心性網膜炎は「黄斑部」に水が溜まる病気で、30~40歳代で発症することが多い眼病で、ストレスや過労が原因で引き起こされるとも言われています。
『中心暗点』とは視野の中心が暗くなる症状のことを言い、『小視症』とは物が小さく遠くに見える症状のことをいいます。
ものがゆがんで見える症状のことを『変視症』といいます。
チラチラするものが見える
- <症状から考えられる眼病>
- 飛蚊症、網膜剥離、出血など
視界に黒いゴミや影、蚊のようなものが見えたり、視点を変えると、それが動き回るように感じる場合、飛蚊症の可能性があります。
飛蚊症は目の内部にある硝子体が混濁することによっておこるとされています。
飛蚊症で見られる黒いごみのようなものが突然増えた場合や見えにくくなった場合は網膜剥離や出血している可能性があり、すぐに眼科で診てもらう必要があります。
物が二つにみえる
- <症状から考えられる眼病>
- 乱視、角膜の濁り、水晶体の濁り、水晶体偏位など
角膜(黒目)に濁りがある場合や、水晶体が濁っていると、片方の目だけでものが二つにみえることがあります。
また、水晶体の位置が少しずれていると、水晶体偏位といって、ものが二つにみえることがあります。
乱視により、ものの輪郭がぼやけてみえるとき、二つにみえるという人もいます。
両目でものをみて二つにみえる場合は、目の協調がうまくいっていないことが原因となります。
突然ものが二つにみえるようになった場合は、脳内に出血や炎症がある場合があります。
読書などで目が疲れたときなどは、文字が二つにみえることがあります。
眼球近くの鼻洞などに炎症や腫瘍があって眼球が極端に一方に押されて、そのために協調してものをみることができなくなり、二つにみえてしまうこともあります。
目の痛み
- <症状から考えられる眼病>
- 屈折異常、ものもらい、角膜炎、緑内障、強膜炎、ぶどう膜炎
痛み以外の症状として、少しずつ痛くなり継続的に続く痛みや、頭痛、肩こりなどは、屈折異常の可能性が考えられます。
まぶたが赤く腫れる場合、ものもらいの可能性が考えられます。
まぶしく感じたり目の中がゴロゴロするような場合、視力低下などは角膜炎の可能性が考えられます。
白目の部分が赤くなり、目の周囲に押したような痛みなどがあれば強膜炎の可能性が考えられます。
視野が欠ける、視力が低下した、頭痛、吐き気などは緑内障の可能性が考えられます。
光がまぶしく感じる、目の前にごみのようなものがチカチカするなどはぶどう膜炎の可能性が考えられます。
まぶたの腫れ
- <症状から考えられる眼病>
- ものもらい(麦粒腫)、眼窩骨折、バセドウ病など
目の腫れから考えられる病気には、まず「ものもらい(麦粒腫)」が考えられます。
ものもらいは、ブドウ球菌などによる細菌感染によってまぶたが腫れあがります。
また、痛みや熱感を伴うのが特徴です。
免疫力の弱い乳幼児や高齢者は、症状が悪化すると涙膿炎を引き起こす可能性もあるので注意が必要です。
また、目をぶつけて眼の周りの骨が折れた場合、眼が腫れるとともに視力が低下したり、二重に見える症状がみられます。
バセドウ病の場合は、目つきがきつい、眼球突出、複視などの症状がみられます。
目の充血・目やに
- <症状から考えられる眼病>
- 角膜ヘルペス、新生児涙嚢炎、鼻涙管閉塞症、涙膿炎、さかさまつ毛など
角膜ヘルペスとはウイルスにより引き起こされる眼病で、眼の充血や目やに、激痛を伴います。
新生児が目の充血を起こす場合は新生児涙嚢炎や鼻涙管閉塞症の可能性も考えられます。
涙膿炎の場合は涙っぽい眼になり、白っぽい膿が混じるのが特徴です。
さかさまつ毛の人は、まつ毛が眼に入りやすいため、充血や目やにが起こりやすくなります。
目がかゆい
- <症状から考えられる眼病>
- アレルギー性結膜炎、花粉症、ものもらい、眼瞼縁炎など
体質に合わない点眼薬や化粧品を使用すると、まぶたや目がかゆくなることがあります。
これはアレルギー性結膜炎の一種です。
花粉症(季節性アレルギー性結膜炎)の症状でも目にかゆみを感じることがあります。
ものもらい(麦粒腫)の初期に、痛い感じよりも、かゆさを感じたりします。
また、ただれ目(眼瞼縁炎)で、軽い炎症のときや涙の分泌が少ない場合にもかゆみを感じます。
目がまぶしい
- <症状から考えられる眼病>
- 角膜炎、角膜ヘルペス、虹彩炎、雪目、花粉症など
『角膜炎』の特徴はまぶしさを突然感じるようになり、痛みも伴う場合が多いことです。
スキーやスノーボードでゲレンデに行ったとき、紫外線で引き起こる『雪目』も角膜炎の一種で、数時間後になって痛みを感じるようになる場合もあります。
『角膜ヘルペス』の特徴は、まぶしさと痛みが徐々に目立つようになってきます。
『虹彩炎』では目の奥のほうが痛み、まぶしく感じます。
眼球が動く
先天的に眼球が左右に細かく振動してしまうもので、眼球振盪(眼振)と呼ばれます。
これは本人の意志で止めることができず、治療は難しいとされています。
眼振により目つきがよくない場合など、手術によってある程度治療できる場合もあります。
色を区別できない
赤・緑・青の3種類の色を感じる視細胞の垂体の働きが弱いことが原因で色の区別が出来ない場合、色覚異常の可能性があります。
このうち1種類の色を感じる力が弱いと『色弱』と呼び、2種類の色を感じる力が弱いと『色盲』と呼びます。
色覚異常で最も多いのが、赤と緑が見えにくい色覚異常です。
平成14年度までは学校の定期健康診断で色覚異常の検査が行われていましたが、現在では行われなくなりました。
ものに色がついてみえる
駆虫薬のサントニンを服用した後、一時的にものが黄色くみえることがあります。
また、白内障の手術で水晶体を摘出したとき、ものが青く感じてみえることがあります。
日中太陽の光のしたで過ごした場合などに、その夜、赤色フィルターを通してみるように、ものが赤くみえることがあります。
目が疲れる
目の疲れは、一般的には眼精疲労といい、調節性眼精疲労、筋性眼精疲労、症候性眼精疲労、不等像性眼精疲労、神経性眼精疲労、VDTによる眼精疲労(VDT症候群)などがあります。
また、血圧が低くても目が疲れますし、遠視・乱視・老眼[老視]などで、眼鏡が合わないときも疲れます。
眼底の病気、緑内障、結膜炎でも眼精疲労がありますので、症状を感じたら眼科医の診察を受けることをお勧めいたします。
視線が一致しない
二つの目で同時に一つのものをみることができない状態を斜視といい、いろいろな形があります。
- 斜視の種類
- 内斜視、外斜視、交代性斜視、調節性内斜視など
片方の目の視力が極端に落ちている期間がつづくと、その視力のよくない目は斜視になります。
幼児にこのようなことがおこると内斜視になることが多く、幼児がやや成長すると外斜視になる傾向が一般的です。
片方の目だけが常に外を向いているとき、その目の視力は低下していることが考えられます。
ときには、両目とも視力がよいのに左右かわるがわる斜視になることがあります。
これを交代性斜視といいます。
そのほか、生後1年くらいたってから両目が内側に寄ることがあり、その寄る程度は一定でなく、どちらの目が、とくに寄ると決まらないとき、調節性内斜視といいます。
斜視については、幼いうちに医師と相談をして、眼科医のなかでも斜視治療を専門にしている医師に治療を受けるようにしてください。
放っておいて、成人近くなってからの治療では、斜視は治っても、斜視による弱視は治りません。
なお、幼児のとき、斜視を早期にみつけることが大事です。そんなとき顔の正面からペンライトをあて、その光が両目のひとみ[瞳孔]の真ん中に映っていれば正常です。